2018年の振り返り
2018年を総括すると、次の仕事先であるケニアに移行する過渡期だったと思う。
メインの仕事である慶応での研究では、在籍していた3年半の集大成となるPynquinoを提案し、企業との共同研究を通してProof of conceptとなる3Dプリンタのコントローラを開発した。
- 1個から個別製造できる複合装置を開発、筐体の3Dプリントから基板実装まで (2/2) FPGAをArduinoのように使いやすく
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1808/31/news074_2.html - 多様な現場の要求に応じて 3Dプリンタを柔軟に拡張できる制御システムを開発
https://www.sfc.keio.ac.jp/news/013060.html
Pynquinoは深層学習、画像処理が引き続き発展していくこれから数年で、ロボティクスとの融合という観点から重要な技術になるのではと期待している。
ジョモ・ケニヤッタ農工大学におけるJICAプロジェクトでの技術指導では、2月と9月にものづくりセンターでの指導を行い、大学院生の講義も担当した。
- Digital Fabrication Technology Training at iPIC
http://jkuat.ac.ke/projects/africa-ai-japan/digital-fabrication-technology-training-ipic/ - JKUAT Mechatronic Engineering students taught by Adjunct Associate Professor
http://jkuat.ac.ke/projects/africa-ai-japan/jkuat-mechatronic-engineering-students-taught-by-adjunct-associate-professor
学生や教員の好意的な反応を見たことで、自分が必要とされていることを実感することができ、赴任に向けての自信となった。
ルワンダでのJICAプロジェクトの仕事は、なかなかに忘れられない経験だった。
カウンターパートの要求に臨機応変に応えていく必要があるなかで、こちらの思惑と異なる事態に直面し、開発支援のプロジェクトの難しさを初めて実感した体験となった。この問題はこれからも(ケニアに行っても)長く向き合っていくものだと思う。
ファブラボ会議であるFAN4、FAB14も参加することができ、新しい出会いもあった。このイベントに参加するといつも感じるのは、自分がコミットしているアフリカの活動と、表でやっている研究の仕事の乖離から生じるもどかしさである。慶応での研究は予算面も含めて自由にできるという意味で恵まれた環境ではあったが、究極的に自分がやろうとしているのはアフリカという地域に根ざした活動である。来年からいよいよアフリカに根ざした生活が始まり、ここ数年感じていた心境に区切りをつけられたのは、良かったと思う。
プライベートでは、家族でヨーロッパ旅行をすることができ、思い出に残る良い旅となった。