PAUSTIの講義始まる

今日は初回の講義だった。今年度の講義に登録している修士の学生は4人で、出身国の内訳はアンゴラ、チュニジア、中央アフリカ共和国、ジンバブエだった。仏語圏の学生は英語へのキャッチアップができていないようで、指名して発言を促しても答えに窮していた。この授業は3年目だが、ここまで英語に難があるのは初めての経験である。とはいえ学生たちは修士研究で英語論文を完成させる必要があるので、この講義を通じて成長してもらえたらと思う。

23. May 2022
Categories: 未分類 | Leave a comment

ケニアでのドローン免許の取得

ケニアではドローンの飛行は許可制となっている。違反した際の罰則は厳しく、パイロットライセンス(RPLという)を非所持で飛行した場合は200万シリング(日本円で約200万円)の罰金が課せられる。冗談のような金額だが、これに加えて航空局に未登録のドローンを飛行した場合、さらに200万シリングが課せられる。商用での空撮のように営利目的で飛行させる際は、別途専用のライセンス(ROCという)を取得する必要があり、これについても違反した場合は200万シリングの罰金が課せられる。すなわち最大で約600万円の罰金になりうるため、知らずにドローンを飛ばすと大変な結末が待っている。

パイロットライセンス(Remote Pilot License: RPL)であるが、これはドローンの教習所(Drone Training Organization: UTO)で取得することができる。2022年5月現在でUTOはケニア国内に7つ存在し、300名のドローン操縦免許の保持者を輩出したとのこと(参考:Licensed drone pilots rise to 300 – Business Daily (businessdailyafrica.com)。ライセンス講習の所要期間は2週間程度で、金額は自分が見積もりをとった2、3社では、16万シリングから20万シリングといった範囲であった。旅行者が気軽に申請できるレベルではないが、ケニア在住者でなくともライセンスの取得は可能だと思われる。というのも、RPLの申請資格は1)18歳以上であること、2)英語の読み書き会話に問題ないこと、3)クラス3医療証明書を保持していること、であり、ケニアの在住の有無を問うていない。一方で、ドローンの機体登録はケニア在住者に限られるという規則があるため、ケニアで登録されたドローンを貸してもらわない限り、短期訪問者がケニア国内でドローンを飛行させることは難しいと考えられる(これは私個人の理解なので、もし疑問に思われた場合はケニア航空局に問い合わせてほしい。短期訪問での持ち込みが完全に禁止されているとすると、取材などでの運用は現地の企業にまかせる必要が出てきてしまうし、実際のところはわからない)。

航空法が改正された2020年以降のケニアへのドローンの持ち込みは、正規の輸入手続きを経て行うことになっている。許可なく持ち込むと空港で没収される(実際に没収された知人によれば、ドローンは倉庫に保管され、ケニア出国時に保管期間に応じた保管料を支払えば返却してもらえるとのこと)。法改正がなされた2020年以前にケニアに持ち込まれたドローンについては、航空局に機体登録を申請すれば使えることになっている。自分も法改正以前にケニア国内に2台のドローンを持ち込んでいたが、これらを業者に頼んで航空局に機体登録した。機体登録は次のサイトから個人でも行える。https://rpas.kcaa.or.ke/ 登録料はドローン1機あたり3,000シリングである。このサイトからドローン輸入の手続きもできるようである。

クラス3の医療証明書(Medical certificate)であるが、これはAviation doctorから発行してもらえる。自分はナイロビのSouth Cにあるクリニックを訪問してクラス3の証明書を発行してもらった。具体的には、該当のクリニックに行ってClass 3 Medical checkupを受けたいと伝えれば良い。これは航空業界で業務に従事する者が受検する健康診断で、具体的には以下のような診断項目がある。

  • 問診(家族に高血圧、糖尿病の者はいるか )
  • 色盲検査(石原式)
  • 血圧
  • 聴診器
  • 耳の中の目視チェック
  • 目の目視チェック
  • 口の中の目視チェック
  • 視力検査
  • 身長体重測定
  • 心電図
  • 尿検査(糖尿病)
  • HIV血液検査
  • 胸部X線検査

個人的にはHIVの検査を生まれて始めて受けさせられて面食らった。なぜ必要なのかはわからないが、免疫が弱るので操作に支障が出るということなのだろうか。ちなみにクラス1は旅客機のパイロット、クラス2は貨物機とプライベートジェットのパイロット、クラス3は航空管制官とドローンのパイロットが受ける区分だそうである。クリニックに伺った際も、航空業界と思われる数名の方々がMedical checkupを受検されていた。

Medical certificateを取得したら、実際に教習所(UTO)に出向いて登録を済ませる。座学が5日間、飛行訓練が5日間というのが標準的なスケジュールであるようだ。座学では主に以下の内容を扱う。

  • Air law(航空法規)
  • Flight planning(飛行前の確認事項や義務付けられた飛行記録)
  • Human performance(視覚、疲労など操縦に影響を与える要素)
  • Meteorology(気象学。風や雨など天候や大気の特性について)
  • Navigation(地理学、GPSなど)
  • Theory of flight(ドローンのハードウェア)
  • Battery Procedure(バッテリの種別、保管、充電など)
  • Radio telephony (試験範囲外)

座学では試験をパスする必要があるが、仕事の合間に一部の講義を受け、あとは講義スライドと模試を送ってもらって詰め込み勉強したので、なかなか大変だった。試験は選択問題(計100問)で、時間は3時間だった(自分は早く終わったため最初の20〜30分くらいで退席したので、詳しい試験時間を覚えていない。2時間だったかもしれない)。合格ラインは70点以上である。試験会場は試験官が同席し、回答中の生徒の様子は録画されるという徹底ぶりであった。航空局へのコンプライアンス目的で録画するらしい。

飛行訓練では、合計で300分の累積飛行時間を達成する必要がある。300分=5時間ということで短く感じるが、実はそうでもない。日差しの強いケニアで1時間も飛行させると、かなりバテる。1つのバッテリで飛行できる時間は20分弱であり(だいたい18~19分)、すなわち3回も飛ばすと疲労がたまってくる。自分は仕事の関係で練習の日にちがあまり確保できず、1日の間に7回、8回の飛行をこなす必要があったので、かなり体にこたえた(一日の最後の方はコントローラを持ち続けて立っているのがつらくなり、早く終わってくれと念じながら参加していた)。

飛行訓練はコントローラを用いたマニュアル操作の習得を主眼としており、アプリ上でカメラでの映像を確認したり、GPSを使って飛行軌跡を指定するウェイポイント飛行などは一切取り扱わない。通常の業務ではアプリを使って自動的に飛行させるのになぜマニュアル飛行にこだわるかというと、緊急時に安全に機体を帰還させるスキルがパイロットには求められているからである。飛行訓練に使用した機体はPhantom3とPhantom4だった。最初のほうはずっとPhantom3を渡されていたので、Phantom4を使わせてもらったときには姿勢の安定が格段に良くて驚いた。

飛行訓練の内容だが、4つの隅に置かれた三角コーンの辺上を移動する課題(Horizontal Box)が基礎である。これにはTail in HoverとDirectional flightという2種類がある。違いはドローンのYaw方向を変更するかどうかである(ずっとドローンのお尻を見ているのがTail in Hover、Yaw方向に旋回させるのがDirectional flight)。Horizontal boxは簡単だが、これに加えて2つ難しい課題がある。ひとつめはPoint of interestで、Horizontal Box (Directional flight)の動作をよりなめらかにした動きである。コーンの中央に撮影対象物があり、それを旋回しながら撮影し続けるようなイメージの動作である。もうひとつは名前を忘れたが、45度前方に急上昇したあと、今度は45度で下降して戻ってくる動作である。自分はこの課題で最初苦戦した。ドローンを前方に飛ばすのは簡単だが(雑にやってもなんとかなる)、45度で降下させるイメージがなかなかつかめなかった。

所定時間の飛行訓練を終えた後は、航空局のFlight examinerによる現地試験が行われる。試験といってもこのタイミングで落とされることはないようだが、ドローンを墜落させたり、操縦があまりに不安定な場合は、訓練のやり直しもあり得るのかもしれない。また実際の実技試験の前には口頭試問がある。事前の教習所の教官からの情報では、口頭試問についてはグループ試問なので、答えられなかったら答えられる他の人が答えればよいと言われていた。現実にはこれは異なっていて、自分たちのFlight examinerは、回答者を指名して答えさせるタイプの人物であった。不思議なもので、うろ覚えの部分に限って質問されるものである。METAR(気象予報のコード)を見せられて意味を答えよと問われた際に、気温/露点を示している部分をTAFの予報期間と混同して答えたため、試験官の失笑を買っていた。自分の際は4人1グループで試問を受けたが、40分くらいの圧迫面接を経て、この程度でいいだろうと、なんとか解放されたのであった。

実技試験については、1人5分~10分程度で、飛行区域の現況報告、機体状況の確認、電源の投入、機体基本動作、Horizontal box、Point of interest、45度上昇降下などの実施をFlight examinerから指示される。これに加えて、自分の場合は機体を見失ったと仮定した場合の自動着陸もリクエストされた。自分の番は受験者4人中の4人目だったこともあって、比較的あっさり終わった。

実技試験中の様子(左が航空局の試験官)

すべての行程が終わると航空局から証明書が発行される。

交付されたパイロットライセンス

RPLの有効期限は2年であり、2年おきに更新する必要がある。ちなみにClass 3 Medical certificateの有効期限も同じく2年である。

ちなみに自分はRPLを取得してからまだ一度もドローンを飛ばしていない。今後学内の研究グループが活性化されるにつれ、飛ばす機会が増えるだろうと期待している。

13. May 2022
Categories: 未分類 | Leave a comment

夏学期の授業

2年前から担当しているIntegrated product designを今期も受け持つことになった。昨年と同じ同僚の教員と分担する予定。今期の内容を考えるにあたって、前回、前々回を振り返ってみることに。

2020のスケジュール: (第1回、第2回)3D modeling, 3D printing(第3回、第4回)PCB design & fabrication(第5回、第6回)Embedded programming(第7回、第8回)Webプログラミングと通信ネットワーク(第9回、第10回)CNCの要素技術と制御(第11回、第12回)FEM(第13回、第14回)信頼性工学(第15回)最終発表
2021のスケジュール(第1回)Product development process(第2回)3Dモデリング Part I(第3回)3Dモデリング Part II(第4回)メカトロ設計(第5回)前半:LCA、後半:機会発見(第6回)プロトタイピング(第7回)前半:制御、後半:最終発表

1年目はCNCの設計に必要な一連の要素について講義した。また最終課題として、学生全員で1つのプロダクトの設計を発表するという課題を出した(最終的に提案されたのは食品3Dプリンタの設計)。1年目の学生の反応は概ね良かったが、Webプログラミングの分野は専門外だという不満が一部の学生から出てきた。特許についても知りたいというフィードバックがあった。

2年目の内容を考えるにあたって、シラバスに与えられた関連文献を今一度よく読んでみた。すると、integrated product designという言葉が、製品設計の上流のニーズ定義や、下流の製造部分を考慮した製造設計も包含した、包括的なデザイン行為を意味していることがわかった。したがって2年目は機会発見(Discovering opportunities)や、環境への影響評価(LCA)といった観点を盛り込み、より総合的な内容とした。また、シラバスの記述に従い、3Dモデリングの比重を大きくした。2年目の最終課題は学生一人ひとりの個人課題とし、製品計画の作成と3Dモデルの作成を課題として与えた。これは授業の後半部分を担当する教員からは好評であった(3Dデータを後半の強度解析で利用できるので)。2年目は講義内容としてはおさまりが良かったと思うが、その後講義を受講した学生たちと修士論文の指導で関わっていて、彼らの全体的なスキル不足に気づいた。とくに組込みプログラミング(条件分岐、ハードウェア割り込み)を補強したほうが良いと感じた。

上記を考慮して3年目の内容を検討した。その結果、内容としては1年目に寄せ、3Dモデリングと組込みプログラミングに力点をおいた内容にすることとした。

2022年のスケジュール(案):(第1回)メカトロ設計(第2回)3Dモデリング Part I(第3回)3Dモデリング Part II(第4回)組込みプログラミング Part I(第5回)組込みプログラミング Part II(第6回)Fabrication(第7回)最終発表

(追記)その後学科のコーディネーターからタイムテーブルが送られてきた。見ると、月曜午後と水曜午後に実習が割り当てられている。水曜午後を実習に当てることができれば、3Dモデリングや組み込みプログラミングのコマを増やす必要はないだろう。したがって最終的に内容はほとんど昨年度と変えないことにした。昨年の時点で講義の形はほぼ完成していたということだ。

2022年のスケジュール(確定):(第1回)Product development process(第2回)Mechatronics design(第3回)3D modeling(第4回)Embedded system(第5回)Fabrication(第6回)Discovering opportunities(第7回)Life cycle assessment、最終発表

11. May 2022
Categories: 未分類 | Leave a comment

インターンの成果報告会

Nakuja project(ロケット)とJibebe(電気自動車)のインターンシップの報告会を実施した。今年はロケットで24名(JKUAT19名、KU2名、KSA3名)、電気自動車で12名のインターンを受け入れた。インターンに参加した学生たちは、1月から4月までの4ヶ月間、苦楽をともにした仲間たちと一緒にプレゼンテーションに臨む。

報告会のゲストとして、ロケットにはケニア宇宙機関(KSA)の長官、電気自動車には障害者向けの車椅子・トライサイクルを製造するNGO(APDK)のCEOを招待した。正直なところKSAの長官が来るとは思っていなかったが、突然出席するとの回答があり、学長室への報告やお茶菓子の手配などで、にわかに忙しくなったのだった。結局KSAの長官からは前日の夕方に連絡があり、都合がつかなくなったのでナンバー2(ダイレクター)を派遣すると伝えられた。当日は学長の都合もつかなくなったので、副学長が参加してくださった。

成果報告会での学生のプレゼンテーションは成功だった。ロケットについてはリハーサルを3回、電気自動車については2回行ったので、発表については特に心配していなかった。ロケットの方で良かったのは、KSAのダイレクターからN-2ロケットの打ち上げに関する支援とJKUATとの連携について積極的な言葉をもらえたこと、電気自動車については電動トライサイクルの製品化に向けて、大いなる期待を語ってもらったことだった。

とくにAPDKのCEOのスピーチは熱情的で、胸を動かされるものだった。宇宙という遠い夢を追うNakujaと、ケニアの障害者のサポートという地に足のついた問題解決を目指すJibebeに2本立てで取り組むことは、技術者として大変に面白いチャレンジであることを再確認した。

KSAからはドキュメンタリー撮影班が派遣されていた
最終発表会に参加する学生たち

09. May 2022
Categories: 未分類 | Leave a comment

N-2ロケットの試験飛行

マリンディに行く前に挑戦したものの、時間切れで飛ばすことができなかった1回目の試験飛行。電装班がブレッドボードを使っていたためにロケット内部に回路を装填した際にショートしてしまい、18時に近づいていることも相まって、やむを得ず中止の指示を出すことになったのだった。

さて、今回は前回の打ち上げ時に生じた問題を改善して打ち上げに臨んだ。回路はブレッドボードではなくプリント基板を制作し、発射台とローンチラグ(ロケットを発射台に取り付ける部品)にも改良を施した。午前中に打ち上げを行う予定だったが、作業が遅れるのはいつものことだ。あいにく午後からは大使館に行く用事があり、13時半を過ぎたところで泣く泣く別の教員に打ち上げの監督を託して大学を去る。あとは学生からの報告を待つことに。

17時前だろうか、チームのWhatsappグループに連絡が入る。打ち上げの映像が送られてきた。

うまく空に向かって飛んでいる。動画からはチームの興奮が伝わってきた。打ち上げに立ち会えなかったのは寂しいが、自分たちで実行できたことは素晴らしい。

学生が包括的な打ち上げのレポートを以下の記事ににまとめてくれていた。

Second Test Flight Report (nakujaproject.blogspot.com)

上記によれば、電子回路からの機体情報(フライトログ)の送信と地上局での受信はうまくいったようだ。懸念はパラシュートが開かなかったことで、少なくともこの問題は本番の打ち上げ前に解消しておく必要がある。学生からの報告によれば、地上局で受信したデータでは最高到達点を検出した痕跡がなかったものの、パラシュート射出用の火薬は起動した形跡があるとのこと。いずれにせよ、火薬による爆風が動圧に打ち勝つだけの力を生み出せなかったようだ。ノーズコーンが機体に首をうずめていたということからも、ノーズコーンの再設計、あるいは機体への取り付け方法の改善が必要に思われる。

22. April 2022
Categories: 未分類 | Leave a comment

マリンディの宇宙センター訪問

ケニア宇宙機関の方からの声かけがきっかけで、マリンディにある宇宙センターを訪問してきた。JKUATの教員3名、Nakujaの学生21名、超小型衛星の開発チームの5名、さらにはKSAからのインターンと、30名を超えるチームでお邪魔させていただいた。学生の旅費を負担してもらうという御厚意にあずかったケニア宇宙機関には感謝である。すったもんだはあったものの、最終的に大学のスクールバスを出してもらうことができた。大学、特に支援を頂いた副学長と、実際に稼働してくれた運転手たちにはお礼を述べたい。ケニア国内の燃料不足のためにバスがマリンディで給油できず、途中中継地のMtito Andeiまで燃料を大学に届けてもらうというオペレーションが実行されるなど、話題に事欠かない旅だった。

肝心の訪問自体も大変有意義で、今後のロケットの打ち上げに向けてイタリア宇宙機関の方々と意見交換を行うことができたのが最大の収穫だった。

19. April 2022
Categories: 未分類 | Leave a comment

KSAからの出向エンジニア

今日からケニア宇宙機関からのインターンが3名Nakuja projectに参加することに。彼らとのコラボレーションが楽しみだ。

02. March 2022
Categories: 未分類 | Leave a comment

燃焼試験(KNSB)の進捗

第2コホート(2022年)のインターンによる燃焼試験が進んでいる。

第1回:2/22実施

燃焼が弱く、時間も長い(計算値は2秒間、実際は1分程度持続)
白色と黒色の生成物がノズルを覆っている
ノズル付近をズーム

推進剤中の水分、とくに液体ソルビトールに含まれる水分を十分に蒸発させて再トライすることに。

第2回:2/25実施

前回より威力が強まっていることがわかる

第3回:2/28実施

前回に比べて燃焼の威力が弱い
今回は黒い生成物が固着しており、不完全燃焼している

CuringはCasting後、通常1〜2日で完了する。放置が長すぎると硬化することが知られているが(5日程度で完全に硬化 by Nakka)、推進剤の性能も損なうようである。

第4回:3/1実施

前回よりは改善しているように見えるが、依然として燃焼時間が長い(燃焼速度が遅い)

最大推力は5N程度にとどまり、理論値の140Nとはかけ離れている(28倍の開き)。ただし計測値の信憑性が低いことが判明したため、次回の計測で検証する。

第5回:3/2実施

第2バッチのインターン生も参戦

明らかに噴射時の音量が大きく、燃焼時間も短い。

計測された最大推力は60Nであり、理論値の140Nに近づいている。次はさらなる性能向上をねらって酸化剤リッチ(O/F = 68:32)で試してみる。ところで燃焼初期のCoughingが気になるところではある。

理論値と測定値

第6回:3/3実施

O/F比を高めて実験に臨む(O:F=68:32)。

燃焼が2秒程度で完了している

ノズルが融解している
事後解析では推進剤の98%が燃焼したとのこと

最大推力は140Nを超えて160Nだった。設計の再確認を行うことに。

O/Fを少し低くして再実験する(O:F=67:33, 66:34)。

第7回:3/10実施

耐熱性から軟鋼で製造したノズルに換装して実験を実施。O:F比は67:33で、グレインを2つ搭載した。これにより、300N近くの最大推力が想定される。

試験は破壊的失敗に終わった。具体的にはノズルが脱落し、モータが破損した。

穴は燃焼熱で溶けたと思われる
脱落したノズル。縁が熱で損傷している。
推力で押し曲げられたテストスタンド

得られた推力曲線(ロードセルの仕様から、500N以上は信頼性に欠ける)

まとめ

  • 最大推力は750N程度と出ているが、ロードセルの限界を超えているので信頼性に欠ける
  • ノズルが分離したことは結果的に安全弁として機能した。チャンバーの圧力を逃がした。
  • ノズルは遠くには飛ばず、テストスタンドのすぐ横に落下した
  • テストスタンド、特に片持はりになっている部分が曲がった
  • ケージが破損した
  • 燃焼効率はほぼ100%であった

考えられる破損の原因

  1. 燃焼熱で燃焼室壁が溶けてしまった。ノズルとチャンバーの接続部周辺に穴が開いている
  2. 上記で空いた小さな穴の周辺に応力が集中し、チャンバー壁の変位をもたらした
  3. この変位によりチャンバーがノズルを保持できなくなり、ノズルを排出した。

改善点

  • 燃焼熱からチャンバーを保護するための断熱を検討する。Nakkaのウェブサイトを参照する。

その後気づいたのがA7075の融点の低さ。A6063の融点615℃に対してA7075は477℃で融解する。そのため素材をA6063に変更することを検討した。材料の変更に伴い強度が低下するので、燃焼室の厚みを2mmから3mmに増加する必要がある。

一方で、シールが不十分なためにガスがノズルとチャンバーの隙間から漏れ、ノズルとチャンバーの不双方に過度な熱負荷が生じたという指摘があった。したがって次回の実験ではシールを強化し、A7075のまま実験を進めることになった。

第8回:3/18実施

失敗直後の実験で緊張したが、実験は成功した。概ね理論値に近い値が取得できた。KNSBが一歩完成に近づいた瞬間である。あきらめずにKNSBを追究した学生たちに拍手。

28. February 2022
Categories: 未分類 | Leave a comment

ケニアでよく聞く英語

  • Kindly: Pleaseと同義だが、こちらのほうが頻繁に使われる。お願いします、という意味で単体で使われることもある。
  • Through the chair: 議長に発言許可を求めるときに使う
  • All the protocols observed: 紳士淑女の皆さん、〜(中略)〜「その他ご列席のすべての皆様」というときに使う
  • can be able to: canと同じ意味。冗長に感じるが、よく使われる。スワヒリ語に対応する言い回しがあるのか?
  • instrumental: useful, helpful, handyよりもこちらの方を良く聞く。

思いついたら随時追記する。

17. December 2021
Categories: 未分類 | Leave a comment

KSA長官の表敬訪問

今月のはじめにケニア宇宙機関(KSA)の職員から突然電話がかかってきて、最近ロケット開発の調子はどうだ?新長官にまだ挨拶してなかったよな?と尋ねられた。そのまま表敬訪問がセッティングされ、お会いすることに。

長官の部屋で会談し、JKUATのメカトロの学生6名によるN-1ロケットの開発の成果の発表と、開発中のN-2ロケットについて説明を差し上げた。N-2ロケットの打ち上げを積極的にサポートしていただけるとのこと。帰り際に職員に言われたのは、Nakujaのロケット開発にKSAのスタッフを張り付けたいそうだ。今後連携を密にしていけるのが楽しみだ。

追記:なんと表敬訪問がウェブの記事になっていた。どういうチャンネルで記事が出るのか謎。ご丁寧に写真も載せてあり、びっくり。しかも大学の広報部のメーリスへの投稿で知るという。。何がどうつながっているのか。

KSA to Launch Locally-made Rocket in 2021 – Space in Africa (africanews.space)

22. September 2021
Categories: 未分類 | Leave a comment

← Older posts