家の内見
新しい家探しをしてみたところ、ケニアでの家の内見にハードルがあり大変だったのでメモ。大変だったのは探しているエリアが理由で、普通はもっと簡単に見つかるのかもしれない。ちなみに家探しの途中で現在の家を移る理由がなくなってしまい、内見の次の段階には進まなかった。
家はギギリの辺りで探していた。不動産のウェブサイトで物件に照準を定め、エージェントに連絡する。1件目は後で連絡すると言われて電話を切られ、その後音沙汰がない。2件目はアポがとれたが、内見後に2000シル払えと言われたので断った。3件目は問題なくアポが取れたのでギギリで待ち合わせ。しかし約束の20分前にSMSが入り、オーナーがちょうど物件にサインしてしまったと言われてドタキャンになった。この時点で内見することすら難しいのではという疑念が頭をよぎる。ドタキャンした業者からはお詫びに別の物件を紹介すると言われた。
一週間後、別の業者のアポがとれたので朝一でルンダに向かう。案の定30分前に電話がかかってきて、鍵を管理している人と連絡がとれなくなったと言われ、これもキャンセルに。本当にどうなっているんだ。午後には先週ドタキャンされた業者と待ち合わせしているが、これもドタキャンになるのではと疑う。待ち合わせ場所の近くでランチを食べていると、業者からSMSがあり「今日の予定ってまだ生きてるよね?」と確認される。前日の夜に予定した用事を次の日に確認する必要があるとは、どれだけドタキャンが常態化しているんだろう。また後でと返信し、待ち合わせのガソリンスタンドに向かった。ガソリンスタンドで業者で落ち合うと、自分の車を後ろからつけてこいと言って内見予定の場所に連れていってくれた。
内見予定の場所に行ってみると、なぜか人(と車)がたくさんいる。「なんでこんなに人がいるの?」「もしかして複数グループで一緒に内見するのか?」などと不思議に思うも、車を降りて談笑中の輪の中に入ってみる。輪の中心にいたのがこの物件のオーナーで、他は不動産屋と家の補修業者だった。不動産屋は一人だと思っていたら、全員で4人来ていた。オーナーはいい人で、この物件には大使館関係者が以前によく住んでいたらしい。セキュリティがかなり厳重なのが印象的だった。ここは銃を保管する場所だと言われて、住む世界が違うことを実感。家賃は24万シル(交渉可)とのことだった。
業者はこの家だけではなく、結局3つの物件を案内してくれた。状況が動かないときは全くどうしようもないが、いったん動き出すと一気に事が運ぶというのはなんともケニアらしい。一つの家はプールつきの大邸宅だったが、セキュリティが手薄なのが気になった。前に住んでいた人は警備員として昼のシフトに3人、夜のシフトに5人の計8人雇っていたそうで、たまげた。最後に見た家は30万シルで28万まで下げられると言われたが、いずれにせよ完全に予算オーバーである。
物件の最後には、もしかしたらと思っていたが、内見料を要求された。物件の内見だけで金を取るとはすごい商慣習である。先週のアポで待ちぼうけを食らわされた上に、別の物件を見せると呼びつけたあげく金をとるのか、という気もしなくもない。まあこれだけ見るのが大変だと、4件まとめて見せてくれたのはありがたかったこともあり、2000シル(これは前述の業者の言い値を参考にした)を渡したところ、特にこじれなかった。面白い経験にはなったので良しとする。