ケニアでコーンシロップを探せ

前回のモータ破裂事故を経て、KNSUだけでなくKNDXやKNSBを燃焼として検討することにした。KNDXはデキストロース、KNSBはソルビトールを燃料に用いる方式である。KNDXは以前のFクラスモータの試験時に着火しなかったため検討の選択肢から外していた。ここで気づいたのだが、そもそも我々はKNSBをテストしたことがないではないか。

学生たちになぜKNSBを検討しないのかたずねてみたところ、ソルビトールがケニアでは手に入らないのだという。北米でロケットを自作している連中はソルビトールとしてコーンシロップを使っているが、ケニアではコーンシロップが売られていないらしい。そうなのかと思いつつも、食品科学の先生たちに尋ねると、ソルビトールは試薬屋で入手可能だという。連絡先を教えてもらったところ、通常バルク(270kg単位)でしか売っていないが、特別に1kgあたり300シリングで売ってくれるとのことであった。

KNSBは燃焼特性がフラットなので、現在使用中のKNSUに比べて安全であり、長期的にみて期待できる燃料である。あとは確実に燃焼を開始させることができるかが鍵となる。

推進班の学生たちは早速KNDXの着火性を試す実験をしていた。相変わらず手を動かすのが速い。

乾燥燃料の燃焼
キャスト済み燃料の燃焼

いちおう両者とも燃焼しているが、やはり着火性が悪く、直火であぶらないと燃焼が開始しなかったとのこと。SRMのケーシング内で燃焼を開始させるために、ブースター入りのKNSUをイグナイターとして用いて燃焼室圧力を急激に上昇させる計画だと学生たちは話していた。

28. 4月 2021
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