固体モータの改良とリカバリ機構の動作試験
N-2ロケットの固体モータを改良している点については以前ブログに書いた。
先日の試験ではアルミ製の燃焼室が溶けてしまったため、燃焼室を軟鋼に変更して燃焼試験を実施することになった。自分はちょうど日本に出張中だったが、同僚の先生の監督の元、学生たちは無事に試験を実施することができた。
上記の動画ではテストスタンドがのたうち回っているが、これはロケットモータから隔壁(バルクヘッド)が外れてしまったことが原因である。バルクヘッドを固定するためのスナップリングを止める燃焼室の溝が浅すぎたため、バルクヘッドが外れてしまった。その点を改良して実施したのが次の試験である。
推力曲線は以下で、ピーク推力は514Nを記録している。今度はバルクヘッドではなくノズルが射出されてしまったため、急激な圧力低下が発生した。次はノズル側もスナップリングの溝を深くして実験を実施することになった。
さて、固体モータの改良に加えて重要なのが、リカバリ機構、すなわちパラシュートによるロケットの回収である。残念ながらパラシュートによる回収はこれまで成功しておらず、次回のイシオロでのN-2ロケットの打ち上げでは達成が悲願の目標となっている。ノーズコーンの射出は火工品(パイロテクニクス)を用いており、具体的にはクリムゾンパウダーと呼ばれる火薬を使用している。
加えてフライトコントローラに実装されている制御プログラム(ステートマシン)をテストするべく、チームはペットボトルロケットを作って実験に臨んでいた。
ペットボトルロケット打ち上げ(成功)