休日もマイペースに働いてます

朝起きたあと、10月に京都で開かれるシンポジウムの発表原稿を完成させる。

思ったより時間がかかり、もう昼前だ。そろそろアイザックが学校に来る時間だから鍵を開けにラボに向かおう。

アイザックはまだ学校に来ていなかった。朝も食べていないので、昼ごはんを食べるためにTTIの外へ。あまりこの辺で食べたことはないが、目立つ看板を出している食堂があるのでそこへ向かった。

フライドライスある?と聞くと、やってないようだ。ワチェがあるよ、と近くにいた少年が言う。そういえばワチェってよく聞くけど食べたことがない。なのでワチェを注文してみた。1つ50ペソだけどいくつ?と言われたので「?」と思いつつ、じゃあ2つ下さいと伝える。向こうで食事中のおじさんがまあ腰掛けなよ、と手招きしてくれてるのにしたがって店の中へ。

ワチェ(お米と豆の炊き込みご飯)

しかしガーナで入った店の中でもなかなかローカルな店だ。砂利が入っているのはローカル度を測る指標だな、と思いながら砂利を噛み潰す。そういえばこういう掘立て小屋の食堂はバングラデシュにもあったなと思い出す。たまたま通りがかったバングラデシュ人の同僚が自分が食事をしているのを見て、「何てとこで飯食ってるんだ。俺でも腹壊すから食わないのに」と言われたのは印象的だった。

それにしてもさっきの1つ50ペソと言ってたのは何のことだろうと思っていると、肉らしき塊が2つ入っていることに気づく。食べようとするが、硬くて噛めない。スジというかもはや骨だ。まさかこれを食べるんじゃないだろうな、と思って目の前で食事しているお兄さんの皿を覗くと同じ物が入っている。でも、お兄さんも残しているのを見ると、これは食べ物じゃなくてダシを取る牛骨的なものだろう、そう思って食べないことにした。

お勘定を済ませて立ち上がると、女将さんがなんで残すの?とさっきの塊を指さしている。そこで初めて「え、やっぱりこれが50ペソ分の肉だったのか?」と気づいた。硬くて食べられませんでしたと言うと、そう、ごめんなさいねと言われる。たまたま硬い部位だったのかな。この女将さん威勢がよくて好きだからまた来ることにしよう。

ラボに戻ってしばらくするとスティーブンが来て、そのあとアイザックが到着した。そして昨日のポロシャツを完成させるべく作業を始めた。

自分の作業を始めると、エマニュエル先生から電話だ。自分はいないけど、昼ごはんを食べに来なさいとおっしゃってくれる。多分これは夜ご飯になりそうだ。最近は1日2食を続けているが、それを12時と13時に食べるのだから我ながらすごい食生活だ。

相変わらずジュリーの料理は美味しい。ガーナのフライドチキンは、ケンタッキーみたいに油がしたたる感じではなく、もっとカリッとしている。最初はもっと水っぽい方がいいと思っていたが、今は逆にこっちが好みだ。無駄に油が含まれておらず、ヘルシーな感じがする。

ランチなのかディナーなのかわからない食事から戻ると、昨日買ってきた9Vのスイッチングの電源を使ってステッピングモーターを動かすための回路を組むことに。MOSFETはあるかな、とパーツ棚を探すとお望みのNチャンネルMOSFETを発見した。しかし、棚を開けると表面実装部品だ。少し残念、このままではブレッドボードで使えない。

日本にいるならMOSFET実装用のPCBをすぐに設計してMODELAで切り出すところだが、ここのラボではいまドライバの関係でMODELAが使えないんだよなあ。Ubuntuマシンにドライバが入っているそうだが、ログインパスワードを聞いていない。

しょうがないのでMOSFETにジャンパ線をハンダ付けすることに。

ここで述べておくと、ファブラボで今使っているハンダごての先は欠けている、というか盛大に折れている。秋月電子のお兄さんにハンダごてはコテ先が命、と吹きこまれた自分には耐えられないハンダごてだ。こんなこともあろうかとマイハンダごてを持ってきたのだが、240Vから100Vに降圧するための変圧器をかませると温度が十分に上がらない。仕方ないのでラボのハンダごてを使っているのが現状だ。日本で買っても1000円そこらだから、ガーナでもそんなに高くないだろう。一本買ってきて贈呈しようかな。

さて、ハンダ付けを行うものの、やはりこのハンダごてではうまくいかない。何回かトライしてみるものの、ダメだ。よし、やっぱりMOSFETボードをEAGLEで設計して明日MODELAでつくろう。ということで作戦変更、ヘンリーのモーターコントローラのテストを行うことに。

ここで停電。大音量で音楽を演奏していた近くの教会からもアンプの音が消え、聴衆の”Oh, no”という声が聞こえた。

そういえば、このTTIでは放課後の夕方から夜にかけて少人数の生徒に授業が開かれている。日本でいう定時制、夜間学校のようなものだろう。夜、停電する中で教室の横を通ると、懐中電灯一つの明かりで先生が授業を行なっている。なんという光景だろう。蛍の光、窓の雪とはいうけど本当に窓の外では月の明かりが停電した教室を照らし、ホタルの光が草むらでかすかな光を放っている。

家に帰ったらEAGLEでの回路設計と、Rhinocerosでの部品の修正をすることにしよう。

03. 9月 2012
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