New Takoradiを訪問

今日の午前中はNew Takoradiを訪問しようと考えていた。
ラボに着くと、まだダグラスやスティーブンはいない。早速ラボを出てトロトロに乗り、タウンに向う。

You84のレストランで朝食を取りながらNew Takoradiの場所をGoogle mapで確認する。なるほど、道はほとんど図示されていないがPaa Grantのラウンドアバウトを東に向けて歩いて行けばたどり着くことが出来そうだ。Takoradiに暮らしていてもこの辺りはほとんど出歩くことがないので、どのようになっているのかは興味がある。

さて、マーケットサークルを奥まで歩いてラウンドアバウトに到着した。大型トラックが引っ切り無しに走っているが、これらは港から出入りするトラックだと思われる。

ラウンドアバウトから一歩入ると、道路は舗装されておらず、気が生い茂っていて湿度も高い。一気にアフリカの農村に入った感じがする。見下ろすと、焼畑だろうか、辺り一面が黒く焼きつくされている。

さて、線路の前に差し掛かると、一人のガーナ人が話しかけてきた。何か紙を出せと行っているようだが、何のことなのかわからない。
許可証のようなものが必要なのか、と困った顔をしていると、いいからいけ、と解放してくれた。

線路を渡ろうとすると驚きの光景が目に入ってきた。世界各地の例に漏れず、線路沿いにはスラムのような家々が立ち並んでいた。
労働者風情の5人位の男たちがじっとこちらを見ており、縄張りに入ったようで少し緊張した瞬間だった。
足を踏み入れることを少し躊躇するも、警戒しながら中へ入って行くことに。

やはりタコラディといっても色々なエリアがあり、この港町は全く違った景色を見せる。
うかつに注目を浴びることを避けるために残念ながら写真は撮れなかったが。
商店が立ち並ぶ小道を歩いていると、魚を焼くかまどが目に入ってきた。昨日ネットで見たようなレンガ造りで、上に網が乗っかっている。女性たちが魚を焼いているが、炎が立ち上っているようなことはない。

坂を上まで登りきり、海が見える方へ進んでいく。
声をかけてくる人々は最初は警戒したような面持ちだが、話してみるとフレンドリーだ。
声をかけてきた若者に、魚を買いたいんだけどと伝えると、電話してくるからここで待ってろと、休憩所の様な場所で待つことになる。

しばらくして彼が戻ってきた。彼の名はムシンというそうだ。下へ行こう、と海岸の方へ向かっていく。どうやら魚屋は多いわけではないようだ。海岸付近を奥へ奥へと進んでいく。
連れて行ってもらったのは、年配の女性が魚を売っている場所だった。
魚を買いたいというと、かまどにかかっているシートを取って魚を見せてもらった。一つの網に100匹程度の魚が置いてあり、網は3,4層に重ねてある。常温保存だけど、結構日持ちがするということだろう。シートはハエやら虫がつかないようにかぶせてあるようだ。

せっかく来たのに少ししか購入しなかったらおかしいだろうと思い、20セディで20匹を購入した。勿論自分では食べきれないので、ラボのみんなで分けることにしよう。

ムシンに礼を言って別れたが、彼はコミッションを要求してこなかった。純粋に付き添ってくれた、気のいい子だったということだ。
そういえば彼は、何でこんなところに一人で来たんだ、誰かにエスコートしてもらわないと大変だろうに、とも言っていた。
あまり観光客が来ないというのもあるのかもしれない。

さて、サークル周辺に戻ると、荷物を背負って炎天下を歩いたせいで、疲労が出てきた。
どうしてもこの周辺だと、ACがついているYou 84にこもることになる。

ラボに帰ると、スティーブンとダグラスがどこに行ってたの?と尋ねてきた。
New Takoradiに魚の調理を見に行ってたと言うと、スティーブンがスケジュールを合わせて一緒に行こうって言ってたじゃないか、と言う。ごめん、朝はラボにみんないなかったし、忙しそうだったからと言うと、あぁおかしいと笑っていた。
ちなみに魚はあとで家で食べてみたら、燻製というかでっかい煮干しみたいな感じだった。鱗をとらずに焼くっていうことにも驚く。栄養はありそう。こんなのを毎日食べてたらあのたくましい体つきになるのもうなづける。

今日の午後は日本人の方が一人と、ルワンダチームが来訪する予定がある。ラボで彼らを待つ傍ら、そういえば、とスティーブンに今日聞こうと思っていた、朝方ネットサーフィンをしていて見つけた話を思い出した。昨年あるグループがTTIを訪問してクアッドローターやArduinoのワークショップが開いたそうなのだが、それらは今どこに置かれているのかということだ。

スティーブンの答えは、予想を少し超えたものだった。スティーブンはその時期にクマシで研修を受けていて参加しなかったそうだが、実際それらのワークショップはほとんど形骸的なもので、実際に何か身につくようなものではなかったのことだ。つまり取られた写真はポーズだということである。
色々と詳しい話はあったのだが、基本的に筆者はこの手の話が好きではない。外部から何か適当な物を持ってきて、その内容を理解させずにワークショップと称するのは自己満足であって、教育的な刺激にはなるだろうが実用的な効果をもたらさないからだ。そもそもこの場合は内容すら無かったわけであるが。

自分が行なう3Dプリンタのワークショップは、生徒をちゃんと巻き込んで行なうものにするよ、とスティーブンに約束する。

さて、一人お客さんが来て帰って行き、その後ルワンダからの視察団を待っていると、だんだん日が暮れてきた。

学校の門の前でスティーブンと来客を待っていると、守衛のおじさんたちが話しかけてきた。
どうやら自分が首から下げている蚊取り線香について話しているようだ。
なんですかと尋ねてみると、なんで自分たちも蚊に悩まされてるのに自分だけそういうのを使うんだ、といきり立った様子である。
そんなこと言われてもという感じだが、謝る義理もないので、次来るときに持って来ますよと伝えておいた。

すると話は変わって、前にここに滞在していた、としこさんの話をし始めた。ガーナでは生まれた曜日で名前を決める習慣があるのだが、としこさんのことをガーナ名で呼んでいるようだ。
これはチャンスと、「僕は木曜日生まれなのでヤウですよ」と伝えるとおじさんたちは大喜びだ。
さっきまで怒ってたのに、いきなり顔をくしゃくしゃにしてフレンドリーになるのは本当にゲンキンだけど、それがガーナ人の良いところでもある。

ルワンダチームが到着後は彼らをホテルまで送り届け、食事をして別れた。明日のツアーに備えることに。

17. 5月 2014
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