作業初日は苦戦

朝起きるとタウンに買い出しに。
久々のトロトロに乗ると、普段60~70ペソワだったのが、1セディに値上がりしていた。コインより札の方がメイトも数えやすくて良いのでは、などと考えていた。

タウンに着くと、いつものAll needs supermarketに向かった。蚊取り線香やシャンプーなどを購入する。店内を奥へ進んでいくと、以前壁だった場所がくり抜かれて新しい空間ができている。2階への階段もあるが、まだ増築中のようだ。この一年間の変化は、以前の三年間を凌ぐペースに思える。
レジで使っているPOSを覗き見ると、Tally ERP9を使っている。昨年開発していたシステムでTallyへのExport機能というのがあったが、こういうところに目が行くようになったのは面白い。
MTNへインターネット用のSIMを購入しにいくも、パスポートがないと販売できないと言われて、一旦家に取りに戻ることにする。
トロトロから外の景色を見ていて、地名を記した青い標識が去年1年間に新しく建てられたものだということに気づく。Pipe anoやEffia Kumaを記した標識は今までなかったものだ。このおかげでEffiaとEffia kumaが別の地名だと初めて知った。

家に戻ってパスポートを取ると再びタウンに戻る。インターネットバンドルは6GBで80セディ(約20ドル)だった。前はもっと高かった印象があったが、これは日本の格安SIMに比べても安いのではと思う。その後You 84でフライドライスを食べる。

午後はFabLabで早速作業と行きたいところだが、家に戻るとベッドに横になった。まだ作業していないのに、体が休息を欲している。気温は暑いことは暑いが、灼熱というほどではない。照りつける陽射しによる消耗が激しいようだ。

少し休んでからFabLabに向かって、クムシンと今回つくるものについて話し合う。
まず遠隔制御の通信できる要素技術にはBlutoothやWi-Fi、GSMなどがあるよね、と話す。彼いわくIRセンサがガーナで手に入るので、それも候補に入れようと話す。ここまではなかなか調子がいい。
ただし、それで何を動かすか、という話になると途端にまずい感じになる。
例えば、以前別の学生がアクリルで作った自動ゲートのプロトタイプを指差して、あれを遠隔で動かそうと言う。そのプロトタイプは、CNCのように送りネジで扉を動かすもので、動くものを作ったという点では評価すべきなのではあるが、デモどまりというか、そこから先の展開がないのが惜しい所なのである。自分はプロダクトの製作を考えているので、自動開閉ゲートをつくるなら、フルスケールのモデルが欲しいのである。
レーザーカッターでアクリルを切って作れてしまうがために、どうしてもプロトタイプというものに目がいってしまうのかもしれない。もしかすると、工業高校のレベルではこの程度、という暗黙のリミットがあるのではという気もしてしまう。リアルに役立つものをつくろうというマインドの点では、工科大学の学生の方に軍配が上がるのだ。
(後で考えみると実はこれはこれでよく、何かその現状を逆手に取る方法があるのかもしれないと思ってもいる。)
どうすれば高校生にとって実際のプロダクトをつくるというマインドが実感できるのだろうか。アブーのCNCのように、アクリルであってもフルスケールで動くものが作れるとは思うのだが。
本来であれば製作者の中から使い途の候補が湧き出てくる、というのが自分の主張している筋書きなのだが、当然のことかもしれないが、他の人の意見もとりいれたほうがよさそうだ。これにはクロードやアベル先生など、色々と口を出しそうな人がよいかもしれない。

また、ラボのシーリングファンをハックしようとこちらから提案すると、それはやめてエレクトロニクスラボのACモーターを実験用に使おうという。それはわかるのだが、自分が言いたいのは、要はプロブレム・ファーストであって、もしACモーターを使って実験できたとしても、それを使って何をするかという議論が起こってスタックするのは目に見えている。最初から特定のアプリケーション、つまり出口を設定してから攻めないと、事前の仮説が検証できないだろうと考えているのだ。

その後は持ってきたBlutoothのモジュールのPINをリセットしようと悪戦苦闘していると、無為に時間が過ぎてしまった。他にも秋月で買った40AのSSRキットの基板が間違っていたこともあり(勘弁して欲しい)、少しすすめる手順を整理した方が良さそうだ。

そうこうしていると、ジョンたちがラボに来たので、持ってきた部品を端数をまけてまけて3,800セディで売ることにした。月曜が祝日で(独立記念日であろう。去年はこの日に帰国したのだ)、次に銀行が空くのが火曜日ということなので、その日に代金を回収する運びとなった。

作業初日はかなり疲れてしまったが、まだ始まったばかりなので、気を取り直していこうと思う。

クムシンが顔認識技術に興味を持っていたので、明日はラズベリーパイを使った顔認識の実装を試してみようと思う。正直どのように使えるかわからないが、製作者が興味を持った部分を大切にして、関心を失わないようにすることが大事なのではと思っている。

05. 3月 2016
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