苦難の一日

今日は休日、エマニュエル先生の家族と一緒にピクニックに行こうと誘われている。

何時ぐらいに出かけますか?と尋ねると、 14:30くらいにしようと言われたので、ひとまず午前中は家で洗濯と、買い物をすることにした。

しかし家に帰ると断水だ。これでは洗濯ができない。水をためておけば良かったと後悔するが、仕方がないが洗濯はあきらめて町へ買い物へ向かう。

トロトロで町の中心部へ到着すると、早速電子部品店へ足を運ぶ。ツェナーダイオードを購入に向かう。型番を示すが、置いてないと言われる。

困ったなと思い、ゼナーダイオードを探しているんですがと言うと、何ボルト?と聞かれる。なんと、型番じゃなくてパーツの名前でも通じるのか。5Vですというと、ツェナーダイオードを取り出してくれた。一個20ペソだというので、では10個くださいと言うも、3個しか置いてないから残りは別の店をあたってくれと告げられた。

店を後にし、アブーに前回教えてもらったErnest electronicsを探すも見つからない。町をさまよっていると、別のelectronics shopを発見、中に入ってみる。ゼナーダイオード、5Vというとすぐに棚から出してくれた。会計をしていると店のオーナーに、一体何に使うんだい?と聞かれたので、マイクロコントローラへの入力電圧を制限したいんですと答える。ほう、そうなのかいと言われたが、マイコンが普及していないこともあり、あまり納得した様子ではなかった。CNCを作っていますと答えたほうが良かったかな。

部品は買えたので、洗剤など別の買い物へ向かう。コフィー・アナン通りにGrand mart(?)という店を発見したので入ってみる。内装は他のスーパーマーケットと比較して綺麗である。店内には中国人や、ヨーロッパ人らしき人もいた。アラブ系の食材(イエメンの噛み煙草っぽいものなど)が置いてあるのは、レバノン人が多いからだろうか。

さて、家へ戻って掃除などをしていると、時間は14時を回ったところだ。もうすぐ約束の時間だな、と思いつつベッドで横になっていた。14:30になるが、電話はかかってこない。もう少し待ってみようと思っていると、いつの間にかうたた寝をしていた。

起きてみると15:30だ。なにかおかしいな、と思いエマニュエル先生に電話をかけるがつながらない。もしかしたら急用ができたのかもしれないと思い、とりあえずラボに行って時間を潰そうかなと思いアブーに電話をすると、Connection refused.と画面に表示されたのを見てどきっとした。まずい、これは電話機の故障ということか?あるいはクレジットの残り残高が無くなったのかもしれないと思い、MTNに接続しようとすると拒否された。どうやらSIMが壊れたか、電話機自体が壊れている可能性がある。急いでキオスクに向かいクレジットを購入してチャージするも、MTNのサービスに接続できない。

思いの外時間がたっている。あっちも自分に連絡がつかなくて困っていることだろう。結局SIM自体を入れ替えることにし、キオスクでMTNのSIMをくださいというと、MTNは登録がめんどくさいからTIGOにしてくれと言われた。TIGOは登録済みのSIMを売っているようだ。使用者が未定なのに登録済みとはよくわからないが、とりあえず購入してエマニュエル先生に電話する。

すいませんでしたと経緯を説明すると、まあ仕方ないのでまた明日、と言われ電話を切った。

携帯は朝まで使えていたのに、なんという悪いタイミングで壊れるのだろうか。せっかく誘ってもらっていて、1週間前から楽しみにしていたこともあり、かなり落ち込んだ。

もう夕暮れ時であり、さらに前日にPCのACアダプタをラボに忘れてきたので、やることもない。何もしていないと落ち込むだけなので、ファンティ語の勉強をすることにした。ファンティ語の会話集を手にとり、チュイ語の辞書を使いながら文法を解読していく。両者は互換性があるといいつつも、語彙はかなり違うようだ。辞書はあまり役に立たない。

結局300個の例文を斜め読みして同じ単語をチェックしていき、英訳の部分と対応させてその語の意味を探るという力技をとることにした。なんとも非効率な勉強法だが、冠詞があることや、未来形、否定形、疑問形の文法はなんとなく解読できた。日常で使いそうな一般動詞を200個くらい覚えれば喋れそうな気がしてくる。

少し気分が回復し、勉強を進めているといきなり停電だ。弱り目にたたり目というところ。しかしここで負けるかと思い、LEDライトをつけて勉強を再開する。

LEDライトの灯りで現地語の勉強

自分で実際にLEDライトで勉強してみると、子供たちはどうやって勉強しているのか気になった。この灯りだと勉強するのはかなり厳しい感触だ。ガーナの子供たちは大変だなあ、日本は恵まれているなあと思いを馳せる。

ただ、これについては後日談がある。エマニュエル先生の息子のダラーリに、停電の時はどうやって勉強するの?と聞いたところ、停電の時はランプを灯して勉強するよという想定した答えが帰ってきた。自分の体験から、でもその灯りだけで本当に大丈夫?暗くない?と聞くと、

「夜勉強するのはいやだから朝起きて勉強してる」

という答えが返ってきた。当然といえば当然だが、使っているもの、インフラが違うと生活のスタイルも必然的に異なる。「夜勉強するための、より明るいLEDライト」が必要ではないかと実は思っていたのだが、もっとシンプルな解決策がここにあった。

さて、他の国の言葉を勉強していると、面白い響きの単語に出会うことが多い。

神様のことはオニャンコポンという。世代ではないが、おニャン子クラブみたいで親近感のある神様だ。Onyanというのが賢い、という意味のようだ。

なぜ?というのはエベナゼ、というようだ。似ていて覚えやすい。

久しぶりに文字とにらめっこしていたので疲れたようで、早めに床についた。

11. 9月 2012
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