問題発生?夜のファブラボへ
土曜日、少し遅めの朝食を頂いてラボに向かう。
エマニュエル先生はお葬式があるそうで、礼服のような服を着ていた。
今日の作業は、ヘンリーのプロジェクトであるラジコンボートのコントローラのプログラムを書くことだ。
XBeeの生存確認をするべくループバックテストをしてみると、無事成功だ。続いてArduinoを使ってシリアルデータを送信するファームウェアを書くことに。
ArduinoがSerialクラスでサポートするRead関数はシリアル信号を1バイトしか読み取らない。よって複数データ(メインモータ回転数とサーボ角度)を送信するにはソフトウェアモデム的なものが必要だ。大した仕掛けではないが、<<スタートバイト、回転数、区切り文字、角度、ストップバイト>>というシリアル文字列を転送する規格を設計してプログラムを書いた。
ここまでを終えると、時間はもう15時だ。今日中にマーケットで9Vのスイッチング電源などを手に入れたいので、TTIを後にする。
家に外出の準備に帰るとヤギがいた。
マーケットサークルの周りではパレードをしていた。何かはよくわからなかったけど。
太鼓とトランペットによる演奏にしたがって踊りながら行進する。アフリカ人の踊り方が好き
まずはショッピング。おすすめと噂のパームベーカリーに寄ったが、まあ普通の食パン屋だったので何も購入せず。スペシャルがおすすめのことだが、もしかするとなんかすごいのが出てきたのかな。
続いてスーパーで蚊取り線香を買った。パッケージが薬品っぽくて怖い。色々あって迷ったが、英語表記と仏語表記があるやつにした。ちなみにミロのチョコレートがあったので買ってみたが、中身がめっちゃ小さくてびっくりした。コンソメみたい。そして、固い。チョコレートというか、ミロの粉末を固めたもの。
ミロのチョコレート
小ささがお分かりいただけただろうか
そして遅めのブランチ、今日はBocadillosというレストランで。
内装はおしゃれだ。フライドライスとチキン、飲み物にパッションフルーツのアルバロを頼んだ。
落ち着いた店内
アルバロはジュースです
フライドライスといったらドライカレーが出てきた。これはいける
ローカルの食堂に比べると量は少なめだが、味は美味しかった。
さて、今度はスイッチング電源だ。こないだサークルの周りを歩いていた時に台車の露店で売ってるのを見かけた。記憶を頼りに散策する。
なかなか見つからないと思っていたところ、売っている人を発見。
9Vの電源を見つけたが、25セディと言われて絶対ふっかけてるだろと思い、いらないといって後にする。まあ相場がわかったから次の店で買おうと思っていると、全く見つからない!確かに用途としてはPC用のACアダプタだろうし、PCを町で売っている店というのはないので当然といえば当然かもしれない。しまったなあと思い、一周して元の店に戻る。日も暮れかけているし、こっちが買いたいのをあっちはわかっているので交渉は完全に不利(というか交渉の気力もなく)、多少値切って23セディで購入する。
しかしこの中国製のスイッチング電源、動くかどうかすごい不安だ。なぜか2箇所に入力電圧の記載があり、一つは100-240V、もうひとつは100Vとなっている。ガーナの電圧は240Vなので100Vしか対応していない場合、繋ぐと壊れる可能性がある。また、会社名のところにSAMSUNG ESECTROMECHANICSとある。エレクトロニクスではなく、エセクトロニクス。似非だって自分で公言してるし。これについては明日試すこととしよう。
似非だと白状している(赤線部)
ちなみにマーケットサークルの周辺には排水口だろうか、溝が掘ってある。わき見をして歩いていると、この溝に転落しそうになって危ない。アフリカでは人に絡まれて危険な目をするよりも、マラリアなどの疾病や自動車にひかれる、このような溝に転落することの危険性の方が大きいように思う。
ラボに戻るには少し時間が遅くなったので、家に帰ってネットサーフィンをしていた。すると、アクラとタコラディのみがガーナにあらずと言っている人を見かける。それもそうだなと思い、ロンリープラネットをめくりながら、ガーナについて調べることに。
と、ここで扉を叩く音がする。誰だろうと思って開けるとスティーブンが立っている。そしてこんばんは、と日本語でのあいさつ。
どうやらラボの鍵を貸してほしいそうだ。何かありそうなので、一緒にラボに行くよと家を後にする。
話を聞いてみると、ラボにポロシャツを取りに行きたいという。というのは、TTIの副校長(副校長は3人いる:academic, administration, domestic)が明日参加するイベントでTTIのロゴが入ったポロシャツを配る予定らしく、その製作をスティーブンが申し付けられていたという。
しかしスティーブンは同僚の奥さんのお葬式、両親の世話などで全く手が離せずダグラスに仕事を頼んでおいたようだ。確かにダグラスは昼過ぎまでラボにいた。
ダグラスが仕事を仕上げているといいが、とスティーブン。今日中に副校長の家に持って行かないとトラブルになる、と。ラボに到着し、錠を開けて中に入る。
夜の学校。学校の怪談が流行っていた昔はすごいテンションが上がったものだが。
しかしそこにあったのは、ロゴがプリントがされていないポロシャツたち。スティーブンが思わずため息をもらす。
そういえば朝ダグラスがスティーブンともめていたのを思い出した。塗料が入っている棚の南京錠の鍵が見当たらない、といっていた。どうやら鍵がないと塗料が使えないのでと帰ってしまったようだ。
スティーブンが言う。なぜ自分に連絡してくれない。エマニュエル先生だったら鍵を持っているかもしれないのに。
自分もどうしていいかわからないので、とりあえず錠を切断しようか?と言ってみる。
いや、アイザックに明日やってもらうように頼めるかもしれない、とスティーブン。アイザックに電話をする。 どうやら頼めたようだ。
その後ラボを閉め、副校長の家に2人で説明に向かった。副校長の家は教員宿舎の目の前である。
副校長は恰幅の良い人だった。経緯を説明すると、わかった、明日の14:30までに仕上げてくれ、ということで事なきを得た。
良かった良かった、と思いながら副校長の家を後にした。スティーブンに家はどっち?と聞くと、ああ、同じ方向だよと言うので自分の家の方へ向かう。言ってなかったけど君の家の上の階に住んでる、あれが自分の家の窓だといった。なんだ、同じ屋根の下だったのか。確かに教員宿舎だから当然といえば当然だが(エマニュエル先生は別の棟に住んでいる)。