要素の完成 – あとは発電機

今日は8時30分にはラボに行った。さすが夏休みが終わったこともあり、みんなラボに来るのが早い。

アブーが早速磁石を数えている。現在の数量を把握して、どれだけ追加で必要かを確認するためだ。スロットに入れる磁石は、大きいものは1つだけ、中くらいのものは2つ、そして小さいものは3つ重ねることで1つのユニットとする。設計通りにいくと80ユニットが必要だが、結局数え終わると30ユニットしか得られなかった。磁石の厚みを減らして調整したとしても、この倍ほどの磁石は必要だ。



紙にくるまったネオジム磁石

スティーブンにこの事実を伝え、昨日訪れた個コンペの店のオーナーに電話をして、あといくつ磁石が手に入りそうか確認してもらう。電話をすると、オーナーは今遠くに出てしまったとの答えが返ってきた。明日また用意する、と言っていたそうだが、まったくもって予測不能な動きをしてくれる。オーナーいわく帰ってきたら手配するとのことだが、スティーブンとアブーは、この店は見込み薄だから他の店を当たろう、と言うのでこれに同意した。

さて、それでは磁石を得るべく、また自分はM6のスクリューとArduinoの外部発振用のキャパシタを買いに行くために、スティーブンとアブーと3人で町へ向かう。M6のスクリューについてはココンペに行かずとも、町のマーケットのハードウェアショップで手に入りそうだというので、まずはそこへ向かう。M6のスクリューではなくボルトが置いてあったが、ボルトの方が面が出ていて密着するのでスクリューよりもいいのではという議論になり、設計変更をすることになった。

この店のM6ボルトは少し長すぎたので、ココンペで再度探して購入することになる。自分はここで2人とわかれて電子パーツ屋に向かった。

パーツ屋に着いて22pFnキャパシタをくださいというと、電解コンデンサを出してくる。これじゃなくてセラミックコンデンサですと伝えると、別の箱をあさり、22pFを見つけることが出来た。ちなみにセラミックコンデンサ22ピコ、あるいは22ピー・エフで通じた。コンデンサは一つ10セディだったので24個購入した。商品を受け取ると、店の入り口のショーウィンドウにあったドライバが目に入る。星型のビットがついているのでHDDを開けるのに便利だ。ひとつ持っていて損はないのでいくら?と聞くと12セディというので、迷わず購入した。

買い物が済んだのでEffa kumaステーションからトロトロに乗ってTTIへ戻る。トロトロについてほとんど書いていなかったので、ここでトロトロに関するもろもろを述べようと思う。トロトロにはお金を回収する乗務員(mateと呼ぶ)が乗っているが、この役割は車を運転しない若い男の子が担っている。トロトロに客が定員まで乗車すると、乗務員は最後に乗り込んで最前列の補助席に座る。そして道の脇で車を待って立っている人に目を配り、客の行き先を確認して同方向なら運転手に告げて停車するのである。料金の回収方法は、トロトロが発車してしばらくすると乗務員がお金を集める素振りをするので近くの客から手渡していく。料金はTTIからマーケット行きなら30ペソ、マーケットからEffa kuma行きに乗ると40ペソの定額である。途中で乗ってきた客はその都度お金を渡していく。乗ってしばらくしてからお金を渡すというのに最初違和感を感じたが、この理由は、お金はさておき素早く乗降しないと前後の車に迷惑がかかる、ということのように思われる。

さて、TTIに戻るとアイザックはM6の穴を開けてくれたかな、と確認すると穴はM4のままだ。なんでやっていないの?と一瞬思うも、ひとまず黙っておいた。あとでアイザックに聞いたところによると、メンサ先生が今日は不在だったため加工ができなかったそうだ。つくづく予定通りにすすまないものである。結局M6の穴については金ヤスリで削って開けることにした。

ボルトで締結したベルトコンベアの軸

マウント類は出来上がってきたので、自分はバイポーラステッピングモータの回路を作成する。そういえばバイポーラステッピングモータはArduinoでは動作確認したものの、まだ外部電源で動かしてはいない。MOSFETがなぜか不調、バイポーラトランジスタではうまくいかず、結局HブリッジのTA7291Pを2つ使って回路を組むも、うまく出力がでない。しばらく悩んでいると、Vcc(ロジック側電源)とVs(出力電源)の配線を間違えていたため動かなかったことが判明した。基礎的なことで詰まるものだ。

9Vで駆動するとモータードライバからの発熱が大きすぎたので5Vで動かすとうまくいった。 十分なトルクが出ているように思われるので、成功だ。あとはこれにスイッチをつけて仕上げの作業がある。

またステッピングモータの報告をするついでに、アブーにArduinoの複製(Bootloaderの書き込み)の方法を教えた。最初やってしまったのが、optifixのアップロードが終わってすぐにArduinoの電源を落としてしまったために、Bootloaderの書き込みが正常終了しなかったようだ。そのためフューズビットの設定でATmega328Pは外部クロックとなってしまったようで、再び書き込めなくなってしまった。これについてはSTK500のHigh voltage serial programmingの機能を使えばEraseできるのではないかと思う。

Arduinoの複製法を教えると、Arduinoを使わなくてもBootloaderをアップする方法はないかと聞かれるので、FabISPを作ればいいんじゃないかなと答える。やはりライタも自作するのに興味があるようで、早速FabISPのデータをダウンロードしていた。

ところで、Arduino用のATmega328Pやクリスタル発振子、モータードライバなどを寄贈していきたいと思っていたので、ラボの電子パーツの開いている棚を借りていい?と尋ねる。何個か開いている棚があったので、自作のラベルを貼っておいた。

MOSFETモジュールの棚

さて、時間は夕方だ。明日の作業についてアブーと簡単に確認を行う。

発電機に関しては、新品も中古も値段がさほど変わらないことから、今後のファブラボでの使用も考えて新品を買おうとの結論になったとのこと。これには自分も賛成だ。明日エマニュエル先生が予算をとってきてくれるとのことだが、成功を祈りたい。ただ、小型の発電機の出力は1kW程度だが、これで足りるのだろうかとは思う。

ところでアブーにファブラボガーナのTシャツを作らないとね、に言われた。覚えていてくれて良かった。ファブラボガーナのみんなが来ているロゴ入りのシャツをおみやげにぜひ持ち帰りたいと伝えていたのだった。

今日はもう少しステッピングモータなどの作業をしたかったのだが、ここで停電だ。

電子部品をスーツケースに片付けていると、アブーが「そのソフトケースは1セディショップで買ったの?」と尋ねてくる。1セディショップとは100均ショップのことだろう。そうだよと答えると、1セディショップがガーナにあれば何といいことか、と言っている。どうやら100均はないらしい。定価をつけて売るのが珍しい国というのもあるし、やはり国内か近隣諸国に工場がないと、そこまで安くはできないように思われる。

自分は100均で食べ物も買うよ、というと驚いた様子だ。日本に行ったら100均でご飯も食っていけるのか、それはすごいというので、でも栄養はないよと伝える。それでもカロリーとれるなら十分だよ、みたいな笑い話をしていた。Fab9で日本に来る際はちゃんとしたものを食べてもらいたいと思う一方、実際100均でどこまでいけるのか試すのも面白いな、と思った。

 

19. September 2012
Categories: FabLab | Tags: , , | Leave a comment

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