Monthly Archives for February 2018

技官研修2日目

Autodesk EAGLEを用いた電子回路の設計実習 本実習では、Autodesk EAGLE(以下EAGLE)という電子回路CADを用いて、電子回路(PCB)の設計を行った。電子回路の設計は、1) 回路図(Schematic)作成、2) 回路パターン(Artwork)作成、3) 加工用ガーバデータ作成、という3つのプロセスに分かれている。EAGLEはこれらの3つの工程を全てカバーするソフトウェアであり、教育版の無償ライセンスが提供されている。 回路CADの選定にあたっては、以下の観点をもとにした。 筆者が使い慣れていること 教育版の無償ライセンスがあること JKUATで導入しているLPKF社の基板加工機に対応していること 回路CADのなかでも比較的シンプルな操作体系であること まず1に関して、JKUATではProteusを多く利用していると聞いたが、筆者は電子回路CADとしてEAGLEとAltium Designerを普段の業務に利用しており、Proteusを利用した経験がなかった。また2 について、EAGLEには無償ライセンスがあり、学生や教員の自習に活用してもらうことを考えると、積極的に使いたい理由であった。EAGLEの設計データをLPKF S63で使うためのガーバデータ(RS-274X形式)に変換するためのCAM定義ファイルがサードパーティから提供されていたことも好都合であった。最後に、これは電気系の専門の参加者から感想として聞いたのだが、ProteusよりもEAGLEの方がシンプルで使いやすいとのことであった。初心者の教育的な観点からは、はじめから高度で複雑な機能を搭載したソフトウェアよりは、操作がシンプルで全体像を見渡せるものを最初に学んだほうが、のちのち応用が効くと感じているため、EAGLEを選んだのは正解であったと言える。  以下に、演習に用いるために用意した基板の設計を示す。 実際に実習時には、EAGLEの機能解説に想定より時間を要したため、DCモータの速度制御という趣旨は残したまま回路を簡易化し、以下の回路設計を行った。  今回はAdafruitの提供するEAGLEライブラリを利用したため、ライブラリの自作方法は解説しなかった。それもあって、参加者は特に詰まるところなく設計を完了させていた。ライブラリの自作方法を研修に含めると、かなり時間を要することになると思われる。 従来から分かりづらかったEAGLEのCAM Processorの操作インターフェースはEAGLE8.6.0から変更されており、多少改善が見られたが、依然としてCAM定義ファイルを開くメニューへの導線がわかりづらく、参加者から一番質問が出たのはこの箇所であった。 最初に準備した設計ではオートルータ(自動配線)の利用方法も解説する予定であったが、変更後の設計があまりに簡素であることもあり、オートルータの利用方法は解説しなかった。講習が終わった後の時間に、数人に対して補習としてオートルータの使い方を説明した。 LPKF S63基板加工機を用いた電子回路基板の加工実習 本実習ではLPKF社のS63基板加工機を用いて、実際に設計した基板の銅板への切削加工を行った。筆者は日本ではMITS社の基板加工機を愛用しており、LPKF社の加工機は初めてであったが、メカトロニクス学科のテクノロジストの助けもあって、操作方法をすぐに習得することができた。LPKFに搭載されていて、MITSに無い機能として、加工ツールのZ方向の自動キャリブレーション機能がある。大変便利な機能であり、製作者に優しい製品設計であると感動した。 S63基板加工機ではCircuit Proというソフトウェアを利用して、通常の基板加工機と同様にガーバデータ(RS-274X形式)を読み込み、ツールパスを生成し、加工機へデータを送信する。今回は簡単のために片面基板を設計したが、カメラを利用した位置合わせによって容易に両面基板を製作することも可能である。  参加者が一番知りたかったのは、複数の加工情報をどのように区別して加工機に送信するのか、という点であった。EAGLEではCAM ProcessorとLPKF S63用の定義ファイルを用いて、はんだ面データ(.sol拡張子)、Excellon形式ドリルデータ(.drd拡張子)、輪郭線情報(.outline拡張子)を吐き出すことができる。これらの各々をCircuit Proで読み込むことで、自動ツール交換装置(ATC)に対応したツールパスを生成できるということを、参加者は学んだ。

06. February 2018
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技官研修1日目

研修初日はハンズオンの研修(実際に手を動かす実習)はなく、講師および参加者の簡単な自己紹介と、グループワークを行った。 ディスカッションを軸とした研修を最初に導入した理由は、iPICスタッフのDr. KihatoおよびC/PのMr. Omondiのリクエストによる。Kihato氏からのリクエストは、「技術の指導だけでなく、日本の支援という利点を活かし、ものづくりの心をいかにAfrican innovationに活用するかを議論して欲しい」というものであった。Kihato氏とさらなる議論を行ったところ、「もの」ではなく「こと」に焦点を当てることの必要性、という視点も新たに明らかになった。Kihato氏は、日本の経済発展というのは、そのような「こと」に焦点を当てたことも背景にあるのではないか、という。確かに日本の製造業を発展させた背景には、一見製造それ自体と無関係に思える部分(整理や整頓と言った、製造に取り組む姿勢や、「車ではなく、ひとをつくる」というトヨタの思想など)も関係があるかもしれないと納得した。結局彼の真意を推し量れば、単一の技術シーズを基軸にイノベーションを捉えるのではなく、このケニアという土地が抱える問題を解決することに焦点をおき、そもそもどのようなことが求められているのか、広い視点に立って議論を行い、そこで技術が果たせる役割は何であるのか、包括的に考えることの必要性をスタッフにも知ってほしいということであったと考えられる。このアドバイスを基に、グループディスカッションのテーマを設定し、議論を行った。 本グループディスカッションでは、アフリカンイノベーションに関する議論を行った。まず参加者に問うたのは、既存のアフリカンイノベーションの事例はどのようなものであるか、ということである。例として、以下のようなものが挙げられた。 カテゴリ イノベーション事例(受講者の表記による) 農業 3 in 1 plant mill, Hay baler, Wind-mill pump, Money maker pump, Beans thresher, Hydraulic pump, Maize sheller, Motorbike driven water pump, Use of drones for spraying farms, Stirling machine, Oil … Continue reading

05. February 2018
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技官向けデジタルファブリケーション研修

2018年2月5日〜2月9日までの5日間、ジョモ・ケニヤッタ農工大学(JKUAT)にて、JICA短期専門家としてデジタルファブリケーションの研修を行った。デジタルファブリケーションとは、コンピュータ上での設計データを基に工作機械を操作し、製品製造を行う技術の総称である。対象となる参加者はJKUATの技術系職員であり、定員15名として募集を行った。 今回の研修の主要な目的は、従来の工学系製造設備(旋盤、フライス盤など)は熟知しているものの、デジタルファブリケーション機器という新しい機材には習熟していないJKUATの技術スタッフを対象として、iPIC導入機材の講習を行うことである。さらに機材の使い方だけではなく、3D-CADや電子回路CADといった設計ソフトウェアの使い方、工作機械の指令制御を行うCAMソフトウェアの使い方、および製品の開発に必要な組み込みプログラミングまで、製品開発・製造に必要な知識を一通り指導することもねらいとする。 同時に、iPICが現状抱えている課題を明らかにし、今後の改善に向けた提言をiPICの運営職員に行うことも目的とする。 [

05. February 2018
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