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相棒をつかまえる
起床直後のオンライン会議を終え、いつもより少し遅れて大学へ。ミーティングを予定していた学生は急遽都合がつかなくなったとのことで、打ち合わせは延期になった。彼のプロポーザルを読む時間ができたので関連研究などを調べていたが、取り組む対象としては面白いと感じた。次回の打ち合わせでは提案手法の長所について議論することにする。 次にインターンの指導計画を作成するために、9月までの活動計画を考える。サブチームを4つから3つに再編成し、各チームのタスクをブレイクダウンした。インターン希望の学生には要約した資料を共有し、これに沿って提案書を作成するように伝えた。 午後は日本で航空宇宙の研究をしていた同僚の教員のオフィスに相談に出向いた。彼いわく、留学直後にロケットプロジェクトの話を聞いたが、それから話を聞かなかったので動いてないと思っていた、是非協力したいとのことだった。これで2名の指導体制を確保できたので、インターンの学生指導の基盤も整ってきた。 その後機械加工ワークショップによると、バルクヘッドの旋盤加工を手伝ってくれたナイロビ大学の卒業生の男性がCNCを稼働させていた。モジュール式の射出成形ラインを作っているとのこと。明日の朝加工の様子を見せてもらう約束をして別れた。 夕方は家の近くのショッピングモールによって固体推進剤を製造するためのヒーターや鍋を購入。明日以降の実験に臨む。
指導人数の壁
インターンを希望している学生たちだが、7名は少し多すぎるというフィードバックをもらった。確かに一人の教員でハンドルするには少し手に余る。インターンを希望した学生たちには希望をもたせて悪かったが、スクリーニングのために提案書を提出するように伝えた。ただ一方で、他の教員との共同指導体制を構築できれば、さらに学生を収容できる余地も残っているという。明日同僚の先生に相談してみよう。 午後には授業で教えていた大学院生から久しぶりに連絡があった。研究のプロポーザルが添付されており、指導を希望しているとのこと。こちらも明日打ち合わせをすることに。
遂にノズルが完成
今日は朝から撮影クルーが大学に来た。事務所で自分もインタビューを受けたあと、ものづくりセンターを案内した。人工呼吸器の開発やデジタルファブリケーションの利活用の様子、また大学院生の研究風景などを取材してもらった。 その後学長のインタビューを撮影し、撮影クルーは次の目的地のムウェアへと旅立っていった。ムウェアの次はモンバサに行くとのことで、一大撮影ツアーである。ちなみに映像制作会社の社長は気さくで良い人だった。待ち時間に世間話をしていたところ、彼はその昔協力隊でケニアに来ていた日本人の彼女との結婚を考えていたが、その夢は実現しなかったとのこと。いろいろなドラマがあるのだなあ。 撮影が終わると既に昼過ぎになっていた。午後はラボに行って学生たちと作業の続き。ノズルは完成に近づき、機体チームも設計したモデルロケットを3Dプリンタで出力していた。 1週間以上に渡る加工の末、ノズルの製造を無事に終えられたのは素晴らしい。次に加工する際は、今回得られた教訓を生かして、最初から最後まで通しで加工できることを期待する。 その後もラボにいると、学生2人に声をかけられた。メカトロの学科長と話したところ、インターンは可能であるとの返答をもらったとのことである。これを機会にプロジェクトをさらに進めたいところである。
ナクジャ・インターン?
午前に人工呼吸器のミーティングが入ることになり、ラズパイのAD変換だけは実装しとこうと思ってプログラミングに精を出す。ラズパイでのAD変換は昔一度試したことがあったが、最近では結構いろいろなやり方があるようだ。 結局Adafruitのチュートリアルに従ったらうまくいった。初歩的な配線のミスに加えて、ADCの入力にPWMを入れて計測できるという勘違いをしていたこともあり、動かすのに昼過ぎまでかかった。結局ミーティングは来週に延期されたので結果オーライ。 さて午後はノズル加工の続きに取り組む。ラボに行くとみるとまだ学生は来ていなかった。しばらくすると学生が新しいメンバーを連れてやってきた。先輩メンバーが初期設定の合間を利用して新顔に機材の説明を行っている。新歓オリエンテーションという風情である。 本日は昨日送り速度が速すぎて失敗した突っ切りバイトでの加工を試みる。 途中まではうまく加工が進んだが、最後の切断時にツールがチャックに接触したため緊急停止した。クランプする部分の長さが足りなかったのが原因らしい。 対応策としてアルミの端材でスペーサーを作り、足の高さをかさ上げすることにした。 ラボには金曜日の午後にも関わらず学生がたくさん集まっている(逆に金曜日だから時間があるのかもしれない)。しかし推進チームのリーダーの学生や、他の主力メンバーはインターンのために不在である。JKUATでは約3ヶ月の外部でのインターンが卒業要件となっており、学部3年生の2月から5月までは企業などで実地研修を積むことになっている。インターン先は大学が斡旋してくれるわけではないので自力で見つける必要があり、学生たちは自分を受け入れてくれる会社を探し回るのであった。大学が指定しない代わりに基本的にはどの会社でインターンしても良いのだが、自分の専攻と関連する業務内容である必要がある。ケニアでは他のアフリカ諸国同様失業率が高く、特にメカトロニクスといった製造業に従事する関連企業は数が限られている。インターン先が見つからないためにプロジェクトに参加する時間があり、こちらとしては助かっているので、少し複雑な心境である。 そんなことを考えていると、一部の学生たちが次のような提案をもちかけてきた。このNakuja projectでインターンすることはできないか?と。工学部ではケニア宇宙機関が主催する超小型人工衛星の開発プロジェクトも走っているのだが、これに参加している彼らの友人たちはこのプロジェクト参加がインターンとしてみなされているとのことである。なるほど、同じ宇宙プロジェクトだし(これは関係ないか)、設計開発の経験という意味では下手をすると他のインターンより良い経験になるかもしれない(産業レベルのCNCがJKUATにはある)。彼らも受け入れ先が見つかって卒業要件を満たせることに加えて、自分としてもチーム体制を維持できるのはうれしい。学生たちは所属するメカトロニクス学科の学科長にかけあってみるというので、自分からも学科長に交渉してみると伝えておいた(学科長とは人工呼吸器のプロジェクトでも一緒に働いている)。面白いことになってきた。
旋削の輝き
今週ずっと取り組んでいるSRMのアルミケース加工だが、ノズルのCNC旋盤による旋削が佳境を迎えている。昨日は10mmのドリルがワークをかじってしまい、作業が今日に持ち越しとなった。 ドリルの交換によってうまくいくかと思いきや、またもや問題が発生。加工前には必ずツールのオフセット調整(原点設定)が必要だが、すでに大きな径の穴が空いているワーク対して目視による設定を行ったため、どうしても誤差が発生してしまう。長い距離を一気に貫通しようとしたところ、またもやワークをかじってしまって緊急停止となった。穴の長さを短くして再挑戦。 CNCでの斜面の加工は初めての経験で、加工品をみたときはその出来栄えに感激した。 あとは突っ切りバイトで切断し、ひっくり返して反対側を中ぐり加工する。送りが早すぎてワークが落下してしまった。本日はここで時間切れ。明日には完成できることを期待する。